真冬の夕暮れに

心はワルツを刻んだ

澄ました僕の横

君はね笑顔だったんだ あぁ

 

 

夜空に星がない

今夜は月が綺麗だ、なんて

誰にも言えなくて

抱える思いに泣く日々

 

 

会えなくて話せなくて綻んで

あの頃の淡い記憶も白紙に返すのか

優しい心で向き合って話 したくても

それすら独り善がりの増上慢でさ

 

 

見えない敵に空回り

静かに落ちた僕はグラス

君の想いは汲み取れず

心は立てなくなってゆく

情けなく笑った

僕の顔なんてみえないのだろう

 

 

今夜は何作る？

二人で買い出しに行って

凍える帰り道

左手だけはあたたかかった

広がったポケットを独り見て

こっそりと繋いだ手を思い出す

 

 

パインの香りが輝く酒席で君の犬は

僕を見て何と言うだろう　ねぇ教えて

 

 

街で目に映る全てに

君との思い出が光る

僕はただただ君を待つ

寝かしたワインも美味しいからさ

なんて言ってても

あぁ、またあの感情が染み込んでくる

 

 

かぼちゃのパイとヨーグルト スプーンは1つで

一緒に奏でた 君との2:00 A.M.(にじ)のブルース

 

​

僕は君のものでなくて

君は僕のものでなくて

好きの気持ちを突き放すと

命綱なんて無いからさ

宙を舞いながら

寂しく想起する

秋風が立つ

 

​

僕は君のものでなくて

君は僕のものでないが

僕の心はそんなにも

安物のグラスのように強くない

だから欠けたけど

あの日の素直な気持ちは

欠けさせないから